ITALIAN SEXY COMEDY



 イタリアン・セクシー・コメディとは、妖艶な女優を主人公または男性主人公の取り巻きに抜擢し、お色気ポーズで楽しませてくれるコメディ作品のことである。コメディといってもお笑いやジョークの類とは一線を引き、微笑、または失笑、男性特有のむず痒さ、さらに底抜けの明るさと馬鹿々しさ、女優の脱ぎっぷりの良さと色情狂を演じる男優の巧さ(ほとんどがこのパターン)、そしてドタバタ感が最大の魅力である。

 セクシー・コメディの起源としては、60年代初頭から流行したシシリアン・コメディ(シシリー島を舞台にした人情もの)と、エロティック・モンド、日本では馴染みの薄いセクシー・レポタージュ映画が上げられるだろう。それらを発展された形で1960年中頃から作られ出し、ヴィルナ・リージ(「エヴァの匂い」(62))「 カサノヴァ'70」(64))を主役にしたピエトロ・ジェルミ監督の「密がいっぱい」(66)が始まりだと云われている。これはイタリアのリゾート地を舞台に3話のオムニバス形式で綴った男女の艶笑話であり、カンヌ映画祭グランプリを受賞している。ジェルミ監督はステファニア・サンドレッリをメインに添えたシシリアン・コメディの代表作「イタリア式離婚狂想曲」(61)、「誘惑されて棄てられて」(63)で知られる人物でもある。これらの作品には、セクシー・コメディに欠かせない俳優、マルチェロ・マストロヤンニ、ランド・ブッツァンカが出演しており興味深い。

 セクシー・シーンは所謂コメディであるという結論に達したのであろうか(やや強引ですが)、70年代に入り、イタリアではデカメロン映画が多く撮られている。デカメロン映画とは、ピエル・パオロ・バリゾーニ監督の「デカメロン」(71)のヒットの影響を受け、中世を舞台にした男女の色恋物語である。このジャンルはこの時期('71〜'73)に約50本ほどが大量生産、大量消費されているが、ワン・パターンの舞台設定ゆえに観客から飽きられるのも早かったようである。

 デカメロン映画が低迷していく中、入れ替わるように大量生産されていったのが、現代に舞台設定を合わせたセクシー・コメディである。ストーリ的には似たり寄ったりであるも、初々しい新婚カップルに豪邸の美しいメイド、優しい家庭教師に魅惑の先生、かわいい転校生に親切な看護婦、頼もしい女性警察官におっちょこちょいなタクシー運転手など多種多様。これらのシチュエーションを楽しむのが最も適した鑑賞方法だと考えられる。

 しかしセクシー・コメディも80年代に入ると作品数が激減し、半ばには消滅してしまったのだ。日本での発表に縁がないのは、イタリア・ジャンル映画の宿命みたいなものなのだが、日本でも最近じわじわとDVD化されつつあるので今後の展開が楽しみでもある。

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 さて、このサイトではセクシー・コメディを時代順に4つに分類している。

○草創篇 : '66−'74

○疾走篇 : '75'76

○謳歌篇 : '77−'79

○衰退篇 : '80−'84

※データはIMDbを無断で参照しています。

 女優陣では、エドウィジュ・フィネシュバーバラ・ブーシェグロリア・グイダ、ダグマー・ラッセンダル、フェミ・ベヌッシ、カルメン・ルッソ、ナディア・カッシーニ、男優陣ではランド・ブッツァンカ、ジャンカルロ・ジャンニーニ、アルヴァロ・ヴィターリ、監督では……時間が有りましたらまたの機会に!

4/15/2003
4/25/2003 Re-Writen by Kaburagi